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特別加入制度とは

特別加入制度とは

労働者以外の方のうち、業務の実態や、災害の発生状況からみて、労働者に準じて保護することがふさわしいと見なされる人に、一定の要件の下に労災保険に特別に加入することを認めている制度です。

 

労災保険は、日本国内で労働者として事業主に雇用され賃金を受けている方を対象としています。そのため、事業主・自営業主・家族従業者など労働者以外の方は労災保険の対象にならず、業務により負傷した場合などでも労災保険給付を受けることは出来ません。

しかし、フリーランスなどの自営業者は、いわゆる一人親方として、労働者を雇わずに自分自身で業務に従事するため、これらの方の業務の実態は労働者と変わらないことから、労働者に準じて保護することを目的としています。

※令和3年4月1日より、芸能従事者の方々も気軽に労災に加入することが出来るようになりました。   

対象職種

芸能従事者の対象は、芸能実演家芸能製作作業従事者の2つに分かれます。
労災認定の対象となる場面と作業についてはこちらをご覧ください。

芸能実演家

  • □ 俳優
    (舞台俳優、映画及びテレビ等メディア俳優、声優等)
  • □ 舞踊家
    (日本舞踊、ダンサー、バレリーナ等)
  • □ 音楽家
    (歌手、謡い手、演奏家、作詞家、作曲家など)
  • □ 演芸家
    (落語家、漫才師、奇術師、司会、DJ、大道芸人等)
  • □ スタント 他

芸能製作作業従事者

  • □ 監督(舞台演出監督、映像演出監督)
  • □ 撮影
  • □ 照明
  • □ 音響・効果、録音
  • □ 大道具製作(建設の事業を除く)
  • □ 美術装飾
  • □ 衣装
  • □ メイク
  • □ 結髪
  • □ スクリプター
  • □ ラインプロデュース
  • □ アシスタント、マネージメント 他

給付内容

主に5つの保険給付があります。

  • 療養補償給付
    ケガをして治療や入院が必要になった場合に病院費用が保障されます。
  • 休業補償給付
    業務災害にて働けず、休業を余儀なくされた場合に日額が保障されます。
  • 障害補償給付
    障害をもつような大きな事故の場合に一時金か年金として保障されます。
  • 遺族年金補償給付
    労働者が亡くなった場合は遺族の方に一時金か年金として保障されます。
  • 介護補償給付
    介護が必要になった場合にその費用が保障されます。

対象となる場面

労災保険の給付対象となる主な災害分類は通勤災害業務災害があります。

通勤災害

通勤中(帰宅を含む)に、事故等の原因で、傷病等に至った場合に通勤災害とされます。
移動が就業との関連性がない場合(一部の行為を除く場合)には、対象外となる可能性があります。

業務災害

労働者が業務を原因として傷病等に至った場合に業務災害とされます。
業務と傷病等との間に一定の因果関係がない場合(特例の事情を除く場合)には、対象外となる可能性があります。

対象となる作業

放送番組(広告放送を含む。)、映画、寄席、劇場等における音楽、演芸その他の芸能の提供の作業又はその演出若しくは企画の作業

※ただし、労災則第46条の17第2号に規定する土木、建築その他の工作物の建設、改造、保存、原状回復、修理、変更、破壊若しくは解体又はその準備の事業(以下「建設の事業」という。)に該当する作業及び労災則第46条の18害7号に規定するアニメーションの制作の作業を除く。

参考文献:厚生労働省